実利行者の足跡めぐり

大野 行者碑

岐阜県中津川市飯沼  2010年4月 24・25日
この行者碑は Wiki にある『阿岐郷誌』という地誌で知りました。大野八幡神社の裏手の森の中に、実利行者と役行者が並んで祀られています。毎年4月の末あたりの日曜日に、地区の人々によって例祭が行われています。地区の人に伺ったところここは広岡で、現在は14軒になったが以前は15軒あり、代々例祭を受け継いできたとおっしゃいました。実利教会には講社名と講員名を記録した仏生講社連名記があり、講社名と講員数がわかります。講社名を調べてみると阿木村ヒロオカ(広岡)組と記載があり、講員が15名記載されています。お話しから仏生講社連名記に記載されている、阿木村ヒロオカ(広岡)組15名に間違いないと確認できました。しかし皆さんは仏生講についてはご存じなく、講を意識することなく地区の行事として例祭を行ってこられました。


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向かって左が実利行者碑です、大きな下台の幅約2m、全体の高さは約2.35m あります。向かって右は役行者像で、同じような台に幅約30cm、高さ約60cmの像が置かれています。実利行者碑の向かって右側面には、明治十七甲申年三月廿八日と刻まれています。おそらく実利行者の命日、明治17年(1884)4月21日の旧暦にあたると思われます。



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石碑の両脇には実利行者御神前、神変大菩薩の幟が立てられ、例祭の雰囲気を盛り上げています。4月24日に初めてこの場を訪れ、翌25日に例祭が行われると伺いました。訪れた翌日が思いもよらず例祭の日と知り、昨年の4月に下北山村浦向の分骨碑を訪れた時のことを思いおこしました。この時も前日に到着した折、下北山村の資料館の福本氏から翌日に例祭があると知らされました。双方とも毎年4月の末あたりの日曜日が例祭ですが、大野の行者碑で例祭があること事態全く知りませんでしたので、なにか不思議な縁を感じました。



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広岡地区に代々伝わる立派な例祭です。例祭は一同の勤行で始まりその後直来が行われ最後に餅蒔きがあります。皆様には親切に迎えていただき、大変お世話になりました。この場をお借りして御礼申し上げます、ありがとうございました。



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大野八幡神社  岐阜県中津川市飯沼806











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